2025年07月05日
「子どもたちが時間を自主的に使えるようなるにはどうしたらいいのだろう。」
「スマホを使う時間が長すぎて、時間の使い方に計画性がない!」
このようなお声を保護者様からよく耳にします。
今回は、時間を自主的に使えるようなるために、そして計画して動くために活用できる要素である「自律性」についてお伝えしたいと思います!
自律性とは
自律性とは、自分自身で行動を選択し、実行できる性質を指します。
「子どもは時間があって自由!」というイメージを大人である私たちは考えがちですが、子どもたちのスケジュールを振り返ってみてください。
平日は朝から夕方まで学校で勉強、学校が終われば部活や習い事。
週末も部活や習い事があれば、意外と子どもたち本人が計画を立てて自由に使える時間は少ないかもしれません。
そして、さらにその自由時間を大人だけがルールを作って制限してしまうと(例えば、ゲームは○○分!○○時からは勉強!)、子どもたちは自分の意思で考えることを諦めてしまい、自律性を持つことが難しい状況に陥る可能性が高くなります。
もしくは、自分の考えや行動を自由に決定できるオンラインゲームにのめり込んでしまう、という状況が出てくるのも、普段の生活の中で自分に意思決定がないと子どもたちが感じてしまうからです。
実は、自律性という性質は、2つの神経伝達物質の作用にも影響されているのです。
人はある物事について「やらなければいけない」と判断すると、脳から「ノルアドレナリン」という神経伝達物質が分泌されます。
いわゆる「アドレナリンが出て集中できた!」「やる気スイッチが入った」という場合は、この「ノルアドレナリン」が分泌されている状態を指します。
ただ、この「ノルアドレナリン」は、気が散りやすくなるという弱点があります。
「勉強をしなきゃ。」とペンを動かし始めたときに、テレビの音がやたら気になるのは「ノルアドレナリン」の分泌が及ぼしているのです。
その「ノルアドレナリン」の弱点を補う物質があります。
それは「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質です。
「ドーパミン」は、人が「やりたい!」と強く興味を持った場合に分泌される物資で、「ノルアドレナリン」の気の散りやすくなる性質を軽減してくれます。
つまり「ノルアドレナリン」と「ドーパミン」が上手く分泌される、やらなければならない物事を、自らやりたい物事だと捉えられるかどうかで、子どもたちの自律性が促されるのです。
先ほど紹介した通り、自律して行動できるように促すには、神経科学の観点からも「やらなければいけない物事を、やりたいと思えるかどうか」が非常に重要になります。
子どもたちは普段、学校の課題などでやらなければいけない物事は沢山与えられますが、それをやりたいと考えるきっかけを持つ機会は非常に少ない場合があります。
では、ご家庭で自律性を養うにはどうすればいいのでしょうか。
その解決策の1つとして、子どもたちへの声かけを少し工夫していただくことをオススメします。
「あなたはどう思う?」「あなたはどうしたい?」「その行動をするとき、何かお母さん(お父さん)にできることはある?」と声をかけてみてください。
重要なことは「子ども自身の意思を尊重して、選んでもらう」ことです。
自分で選択することで子どもたちの「やりたい」という気持ちが刺激され、やらなければいけない物事に対し気が散りにくくなり、自律して取り組みやすい状況になります。
子どもたちはまだまだ成長中、大人になってきたようで、自律して動いていくには我々大人たちのフォローが必要な場面もあります。
子どもたちが自分で行動し、実行していく経験を少しでも多く味わってくれたら最高です!
【参考】
・ニール・イヤール,ジュリー・リー,「最強の集中力 本当にやりたいことに没頭する技術」,日経BP,2020年
・工藤勇一,青砥端人,「自律する子の育て方」,ソフトバンククリエイティブ,2021年
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