2025年09月02日
近年、子どもたちを取り巻く学習環境や教育のあり方は、大きく変化しています。
その中で、文部科学省が毎年実施している「全国学力・学習状況調査」は、子どもたちの『学びの姿』を客観的に捉える重要なデータです。
2025年の結果では、すべての教科で平均正答率が低下し、特に『自分の考えを表現する力』に大きな課題が見られました。
これは、学力そのものというよりも、学び方や学習環境を見直す必要性を示しているといえるのではないでしょうか。
本記事では、この調査から読み取れる傾向をわかりやすくご紹介し、これからの学びに必要な視点について一緒に考えていきたいと思います。
調査結果に見る『子どもたちの今』
文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」は、毎年4月に全国の小学6年生・中学3年生を対象として行われています。
2025年度も約187万人が参加し、国語・算数(数学)・理科を中心とした学力調査と、生活・学習習慣に関する質問紙調査が行われました。
今年の結果では、すべての教科で平均正答率が前年度より低下しており、「考える力」や「表現する力」を問う記述式問題での無解答率の高さが大きな課題となっています。
特に中学校の国語において、「自分の考えと理由を書く」形式の設問では27.7%が無解答でした。
これは約4人に1人が『書かない・書けない状態』にあることを意味しています。
語彙力と表現力を育てる
学習塾ドリーム・チームでは、語彙力・読解力・表現力を育てる取り組みを実施しています。
小学生においては、10月の漢字検定(漢検)受験を原則必修化いたしました。
これは単に「漢字を覚える」ことが目的ではありません。
私たちはこの取り組みを、アウトプットするための語彙力=『表現の材料』を身につける機会と捉えています。
語彙が豊かになることで、文章を書くときにも、気持ちを伝えるときにも、表現の幅が広がります。
また、読書感想文では、子どもたちが自分の感じたことを整理し、自分の言葉で伝える経験を積んでいます。
これはまさに、「読み取る→考える→まとめる→話す」という一連の思考と表現のトレーニングです。
中学生に対しても、日々の授業の中で、思考を言語化する機会を大切にしています。
例えば、間違えた問題に対して、「なぜ間違えたのか」「正しい考え方は何か」を問いかけ、生徒自身の言葉で説明してもらう場面があります。
こうした対話の積み重ねは、理解を深めるだけでなく、表現力そのものを育てる時間になっています。
こうしたやりとりが成り立つのは、一人ひとりと向き合える個別指導という形態だからこそです。
生徒たちの思考のペースに合わせて、言葉で考え、言葉で伝える力を支えていきたいと考えています。
見えてきた課題
全国調査で明らかになったのは、「問われている力」と「子どもたちが答えられていない現実」とのギャップです。
特に「自分の考えを言葉にする問題」で無解答が多い現状は、知識の不足というより、『表現する力』が育ちにくくなっている環境を映し出しているように思えます。
例えば、「正解がわからないから、空欄のままにする」といった選択をする場面は、実際の授業の中でも見られます。
そこには、「考える力がない」のではなく、「考えたことを言語化する経験」が不足しているという課題が潜んでいるように感じます。
今後の入試や社会で求められるのは、「自分の意見を持ち、それを伝える力」です。
そして、その力を支えるのが、語彙力・読解力・表現力といった土台です。
一人ひとりのつまずき方や考え方は異なります。
だからこそ、個別に寄り添いながら、「言葉にする経験」を丁寧に積み重ねていく指導が求められているのではないでしょうか。
お子様の学習状況をヒアリングしながら、ご説明します。
ご不明な点や、気になるところもお気軽にご相談ください。
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